ブルーノートにホレス・シルヴァーがいたように、プレスティッジには
マル・ウォルドロンがいた。
ホレス・シルヴァーは57年以降、レギュラー・クインテットの活動に専念し
ハウス・ピアニストはソニー・クラークに譲ってしまうわけだが
マル・ウォルドロンは大歌手ビリー・ホリデイの伴奏者として
収入を確保しつつ、60年代初頭までプレスティッジ系セッションで
ピアノ/作曲/編曲の腕を振るった。
一連のプレスティッジ・オールスターズ作品はマル・ウォルドロンの
貢献抜きに語ることができない。
そちらでのマル・ウォルドロンは、いわゆる典型的なハードバップ・サウンドを意識している所も
無きにしもあらずだがリーダー作での彼はちょっと違う。
やっぱりチャーリー・ミンガス門下生だなぁと思わせるとぐろを巻くようなサウンドは
50年代のミンガスやセロニアス・モンクと同じくらい、定義づけを拒んでいる。
本アルバムは彼のセカンド・アルバムに当たるが、ビル・ハードマン、ジャッキー・マクリーンと
いった“ハードバッパー”(とはいえ彼らもミンガス・バンド出身)がマル・ウォルドロンの
【毒気】に当てられて、よじれたソロを展開するあたり、今も色あせないスリルがある。
マル-2/マル・ウォルドロン 視聴有
ジャズアルバム紹介 マル-2/マル・ウォルドロンに加筆・修正を加え転載。
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